2012/06/09

ペルーから来た鳥の水笛

この水笛に出会ったのは、環境展示会エコプロダクツ2011でのことだ。ペルー人の男性が、大小、形、模様、様々な鳥の水笛を並べていた。僕は水笛の音色をきいたことがなかった。どんな音が鳴るのだろうと思っていると、男性はそのうちの一つを手に取って、元気よく吹いた。想像していたよりも大きく鳴り響き、くっきりとした音色だが、耳にやさしかった。吹き終わった男性は目を大きく開いて、口には出さなかったが、ね、いい音でしょ、と言うかのようにニコニコしていた。一緒にいた連れ合いと相談し、ひとつ買うことにした。手頃なサイズのものを選び、模様はこれがいいと同じのを気に入った。

後日、近所の公園へ散歩に行くときに連れていった。水を入れて吹くいてみると、近くの鳥が返事をした。もう一度吹くと、少し間を置いて、また返事が聞こえた。なんだかうれしくなってきた。しかし、何度も繰り返していると、そのうち返事が聞こえなくなった。ほんものの鳥でないことに気付いたのかもしれない。だましているようで、だんだん申し訳なくなってきてやめにした。

その後、この鳥は一度も外に出ることなく、僕の机の上にいて、ヘタな絵のモデルになっている。もう何十回もかかれている。太り過ぎたり、やせすぎたり、最初は全然似なかった。輪郭を少しずつとらえられるようになってくると、だんだん丸みも出せるようになってきたが、まだ鳥に満足してもらえるほどにはかけない。練習して少しずつかけるようになればなるほど、まだかけていない美しさがこの鳥にたくさん残されていることがわかる。いつか満足してもらえるくらいにかきたいと思っている。

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