2014/07/04

マスコバド糖

マスコバド糖は、フィリピンのネグロス島で栽培された砂糖きびのジュースを搾り、煮詰めて乾燥させ、粉末状にした黒砂糖。この昔ながらの製糖法そのものを現地では「マスコバド」と呼ぶ。くせがなくてコクがあり、クッキーやパウンドケーキなどのお菓子作りやコーヒーにぴったりだ。


マスコバド糖の輸入は、ネグロス島の砂糖きび生産者の自立に向けた継続した支援を目的に、1987年に始まった。「有機」「無農薬」の記載はないが、生産者の間では、化学肥料を多用する敢行農法から有機農法に切り替える有機転換プログラムなど、有機循環型農業を目指した取り組みが行われている。

慣行農法から有機農法に転換中の生産者もいるので、オーガニックの表記はない。有機農法が広がることを応援できたらうれしいので、ときどき買っている。もともと、島で砂糖きびは粗放に栽培されていて、高い農薬や化学肥料に頼らずに作られていたそうだ。

絞り汁を煮詰めただけなので、精製された白砂糖やグラニュー糖とは異なり、カルシウムなど必要なミネラルが含まれている。ザラメや三温糖も色が似ているが、必要なミネラルが取り除かれた白砂糖に、身体に有害なカラメル色素で色づけされたものもあるので、よく表示を見たほうが賢明だろう。
三温糖 カラメル色素の表示例

こちらはザラメ

スーパーの白い砂糖はやけに安い。こんなに安い砂糖は、遠い国の誰かの犠牲の上に作られているんだろうか。ネグロス島の砂糖の歴史を読むと、そう思わずにはいられない。

●オルター・トレード・ジャパン 商品紹介ページ
http://altertrade.jp/mascobado