2014/07/18

椰子の砂糖

椰子の花の蜜を煮詰めただけのシンプルな製法のお砂糖。

椰子の砂糖(300g)


原料が採れる椰子の木は、無農薬、無化学肥料、除草剤なしで栽培されている。加工時にも一切化学物質を入れていないし、必要なミネラルを取ってしまう加工もしていない。

香川県を初めて訪れた昨年10月、高松市にある春日水神市場で椰子の砂糖を見つけた。黒砂糖に似た外見に、ミネラルたっぷりの味わいを想像し、花の蜜というのもまた魅力的で、「食べてみたい!」とおみやげに買って帰った。輸入販売元が高松市で、高松にはこんな素晴らしい商品を扱っている会社があるなんて、と自分の中で高松の株がかなり上がった記憶がある。

東京の自宅に戻り、早速いろいろな料理に使って楽しんだ。その頃は、フライパンでよくクッキーを焼いていて、少し焦げたところがなんともおいしかった。自分で起こした酵母のパンにも、珈琲やココアにも、コクがプラスされてものすごくおいしくて、みるみるうちに食べてしまった。

また、この椰子の花の砂糖は、さとうきびから作られる砂糖よりもGI値(血糖値の上昇に関する指数で、低いと血糖値の上昇がゆるやか、高いと急激になる)がはるかに低く、上白糖のGIが110なのに対し、椰子の砂糖は35。玄米でよりも低いくらいで(玄米は55)、天然の代替甘味料としてもおすすめだという。

GI値が高い食品の危険性を警告した本を読んだという、私がよく行く自然食品店の方から、こんな話を教えてもらった。グルテンを増やすように品種改良された小麦粉や白砂糖などの高GI値食品を食べると、血糖値が急激に上がり、その後血糖値が下がるため、身体が血糖値を上げないといけないと思って糖分を必要とし、それが繰り返されて何度でも食べたくなる、つまり、GI値が高い食品は中毒性が高いのだという。

その説明を聞いて、白砂糖や品種改良が進みすぎた小麦粉を食べることは、血糖値をジェットコースターのようなものにしてしまうのだと思った。頻繁に食欲が襲ってくるので、肥満の一因にもなっているとうかがった。アメリカでは肥満が深刻な問題になっているが、意志が弱いからぶよぶよになってしまっているわけではなく、タバコのように中毒になってしまって抜け出せなくなっているためだと、その本には書かれていたらしい。小さい子が甘いものをほしがったときは特に、ミネラルが豊富でGI値の低いものにしたいと思った。

2014/07/17

ノーザンライト社のミツロウキャンドル

キャンドルナイトを楽しんだり、アロマオイルを焚いたりするときは、 オーストラリア・ノーザンライト社の蜜蝋キャンドルの出番だ。汚染のないピュアなミツロウと、燃焼を安定させるために加えられた微量の植物オイル(マカダミアンナッツオイル・ホホバオイル)だけでつくられている。

ティーライトキャンドル
キャンドルホルダーはブリキ製で丈夫
繰り返し使える

1kgのミツロウをつくるのにミツバチたちが飛ぶ距離は、なんと地球を8周分(32万km)。写真のティーライトキャンドル3個弱(約50g)に必要なミツロウは、5000~6000匹のミツバチが2週間も働いて集めてくれたものだという。ノーザンライト社では、ミツバチから大事なミツロウを分けてもらっているという意識から、ミツバチへの思いやりを忘れない。分けてもらうミツロウは、巣箱を良い状態に保つために取り除く余分な分だけ。採取後の巣はミツバチに返している。ミツバチの家族を守り、繁栄させることが、何よりも最優先されている(※)。

※参考
キャンドルのおはなし:http://www.wildtree.info/story.html

群馬県の養蜂家の方から、「一般的な蜂蜜の採集では、蜜をなるべくたくさんとるために、ブドウ糖液を巣箱に流し込むんですよ。かわいそうだから、うちでは蜂が分けても大丈夫な分だけもらうんです」という話を聞かせてもらったことがある。

ミツバチが働き回って一生懸命集めた蜜を、人間のほうがごっそりとって、ミツバチには偽物を舐めさせるなんてむごいと思った。以来、飼育方法がよくわからない場合は、ろうそくもソイワックスや櫨の実など、植物性のものを選ぶようになっていた。心ある生産者が作っているこのミツロウキャンドルを見つけたときは、すごくうれしかった。

ノーザンライト社のミツロウキャンドルは燃焼時間が長いのも特長の一つ。ティーライトタイプは小さいのに、6、7時間はもつ。ガラスの器に入れて、お風呂の灯りにしても、ゆっくり浸かっていられる。あの炎の揺らぎが持つ癒やしの力はなんなのだろう。

一時期、キャンドルナイトにはまっていた。夕食になると電気を消してキャンドルを灯していた。アースアワーの夜にキャンドルナイトをやってみたら、パートナーとは不思議と深い話になるし、夜はぐっすりと眠れて朝はぱっちり目が覚めて、それをきっかけに、毎晩のようにキャンドルナイトを楽しんむようになった。

今は一軒家に引っ越して、キャンドル一つでは部屋が広すぎるのと、焚き火ができるようになったので出番が減ったが、いつでも使えるようにストックしてある。ちなみに、東京に住んでいた頃は、国分寺のカフェスロー、国分寺にあるフェアトレードショップ・アースジュース(国立にある姉妹店ひかりや)さん、吉祥寺と自由が丘に直営店があるメイド・イン・アースで購入していた。

*輸入販売元ワイルドツリーのwebsite
http://www.wildtree.info/index.html



(左から3個入り、5個入り、10個入り)

(左からトワイライト[燃焼時間約6-7時間]、パスカル[燃焼時間約16時間]、ランプ[燃焼時間約36時間])

2014/07/16

メイドインアースのオーガニックコットン縫い糸

オーガニックコットンの生地を縫うときは、糸もオーガニックコットンにこだわりたい。

*メイド・イン・アース オンラインショップ
オーガニックコットン縫い糸 紹介ページ
http://madeinearth-store.jp/item/1057.html

最近は主に繕いものに使っているが、そのままの色なので、ふんわり優しく、不思議と何色にでも合う。この糸で縫うと、下手な手縫いでも味に見えると言われる。

自然栽培綿のガーゼ生地で、フレンチスリーブのチュニックを手縫いで縫ったこともあった。あの生地にはやっぱりこの糸がぴったりだった。白が似合わなくなったら、草木染めで染めることも考えていて、メイド・イン・アースの糸なら、無漂白なので安心して染められる。

草木染めをするとき、縫い糸が化学繊維だと染まらず、糸だけが浮いてしまう。綿の糸でも、漂白など、何らかの化学的処理をしていると、何の処理もしていない糸に比べて色が定着しにくい。

漂白をしてある他社のオーガニックコットンTシャツとメイド・イン・アースのTシャツを同じ鍋でコーヒー染めにしたことがある。他社のものはあまり色がつかず、洗濯するごとに色落ちし、数回でほぼ元通りになった。メイド・イン・アースのTシャツはきれいに染まって洗濯しても色が落ちにくかった。同じオーガニックコットンでもこうも違うものかと思った。

カンボジアで伝統の染め物を復活させた偉大な日本人の方が著書で、化学的なものがあると植物の色が染まるのを嫌がるようだといった考察を書かれていた。自然は原因と結果をありのままに見せてくれるのかもしれない。

*メイド・イン・アース website
http://www.made-in-earth.co.jp/

【関連記事】
メイド・イン・アースのぬいぐるみ ぶんた(2014/6/27)

2014/07/15

カホクの菜の花畑ナタネ油

国内産の無農薬なたねを原料にしたカホクの国産菜の花畑なたね油。



安い外国産におされ、姿を消した国産のなたね。食に対する意識の高まりもあり、国内で栽培されるなたねも少しずつだが増えつつある。鹿北製油では、鹿児島、宮崎、福岡、北海道で無農薬栽培されたなたねを、化学薬品を用いずに搾油し、手漉き和紙で濾過している。臭みはなく、コクがあり、クッキーやケーキなどのお菓子作りにも大活躍だ。

外国産のなたねは遺伝子組み換えがほとんどで、安いサラダ油などは遺伝子組み換えの可能性がある。消費者が知らないだけで、日本は実は遺伝子組み換え輸入大国なのだという。植物性油脂が入っていたら、遺伝子組み換え作物を食べる可能性があるので、そのへんでお菓子を買うことは今ではまずない(動物性ならいいかと言うと、ほとんどの牛や豚は遺伝子組み換え飼料を食べさせられている)。
※参考まで:遺伝子組み換え原料が入っていることがわかっている食品についての記事『遺伝子組み換え使用ワースト1は明治HD、おやつの『カール』など』

「遺伝子組み換えでない」という表示があっても、全重量の5%以内であれば混入が許されているので、アメリカや中国など、遺伝子組み換え作物の栽培が許可されている国のものが原料の場合は混入の可能性がゼロではない。

遺伝子組み換え作物は、日本国内では販売用作物としての栽培は認可されていないので、遺伝子組み換えの心配はない。しかし、すでに実験作物としては認可されていて、全く隔離されていない圃場で栽培されている。もし花粉などが飛んで近隣の農場の作物が受粉してしまうと、遺伝子組み換え作物が知らぬ間にできてしまうだけでなく、受粉されてしまった農家の人が知的財産権の侵害で遺伝子組み換え作物の花粉をばらまいている企業に訴えられるのだというのだから、迷惑極まりない話だ。

遺伝子組み換え作物は健康への影響がわかっていない(ラットの実験では発ガン性が見られたものもある)、遺伝子組み換え作物を栽培することは除草剤をガンガン使いまくることと同義であって土をボロボロにする(なぜならば、遺伝子組み換えとは除草剤を撒いても枯れない作物のことで、遺伝子組み換え作物と除草剤はセットだから。除草剤を売るメーカーが遺伝子組み換えを研究開発している)、除草剤耐性のある草スーパーウィードの出現など生態系の影響が計り知れない、などの理由から、私は遺伝子組み換えには大反対だ。放射能と同様、食べたい人は食べたらいいが、食べたくない人が正確に知らされないために避けられないのが問題だと思う。

遺伝子組み換えについては、以下の2本のドキュメンタリーを見た。どちらも危険を顧みずに深く切り込んでいて、衝撃的だった。

 


 
DVD『世界が食べられなくなる日』は2014年8月29日頃発売予定
ラットの実験についても予告編に登場する

まじめに命の循環の一部を担う農業を営むまじめな生産者と、食べる人とをつなぐ役割を果たし、人と地球の健康を創るほんものの製品。それを選ぶことで、そのまじめな営みを応援できるなら、値段は5倍か10倍くらい違っても、ほんものを選ぶことを望む。安い裏にはやっぱり歪んだ行為が潜んでいる。

*鹿北製油のなたね油商品一覧
http://www.kahokuseiyu.co.jp/docs/item/nataneoil/index.htm



*遺伝子組み換えについては、こちらの書籍も詳しくてわかりやすい。


いでんし くみかえ さくもつ のない せいかつ」(手島奈緒 著・竹林美幸 編/雷鳥社刊)

2014/07/14

上勝町の阿波晩茶

香川に来て初めて出会ったお隣徳島県の阿波晩茶。



自生山茶を手で摘み、乳酸発酵させたお茶で、お湯を注いですぐは酸味があり、じっくり煮出すと中国茶のような味がする。我が家では、魔法瓶に茶葉を入れ、お湯を注いで抽出している。入れてすぐ飲めば、さわやかな酸味も、しばらく置くと、じっくり煮出した深く優しい味も両方楽しめる。

「葉っぱビジネス」でも有名な上勝町に古くから伝わり、江戸時代から飲まれている。木桶で発酵させるときにはあまりに発酵力が強くて蓋が吹き飛ぶので、大きな石を何個ものせるそうだ。発酵したお茶を土用の頃に天日干しして仕上げる。

春先の花粉の頃に番茶だと勘違いして買い、飲んでみたら花粉症の症状がだいぶましになった。腸内の菌が元気だと花粉症が出にくい、発酵食品を食べるとよいとよく聞くので、発酵茶は花粉症にもいいのかもしれない。

*坂東食品さん website
http://bando-farm.com/bancha.html


2014/07/13

カンホアの塩

ベトナムのカンホアで採れた海水だけを、お日さまと自然の風の力だけで乾燥させた天日塩。



カンホアがある塩田地帯は、古くから続くベトナム有数の天日塩の産地だ。ベトナムの人々が使う塩を生産しているため、政府が汚染を防止する規制を設け、家庭排水などが入り込まないようにされている。

カンホアの塩は、「結晶のまま」、「石臼挽き」、「石窯 焼き塩」の3種類がある。



石臼引きしか使ったことがなかったが、サンプルで3種全てをもらう機会があり、「結晶のまま」のおいしさを知った。ひと粒をそのまま舌の上にのせて溶かすと、複雑な味わいが次々に現れてすーっと消えていった。ナトリウムが99%以上の精製塩とは違い、多種多様なミネラルが含まれている天日塩だからこそできること。そのまま舐めても塩辛さがきつくない。きれいな海の水から濃縮されたさまざまな成分が甘みやうまみを併せ持った深く豊かな味わいを繰り広げていく。

天日だけで塩を作るには約2〜3カ月かかるという。ガスや電気などを全く使わずに作られているので、温室効果ガスも出ず、環境への負荷がほとんどゼロなのもうれしいが、海のエネルギーに太陽と風のエネルギーが加わっていると思うと、すごいパワーが宿っている感じがする。

*カンホアの塩
http://www.shio-ya.com/

2014/07/12

鹿北製油の鹿児島県産黒ゴマ油

鹿児島県鹿北製油の黒ごま油は、農薬や化学肥料を使わずに育てられた黒ごまを、薪の火で釜煎りし、昔ながらの玉締め製法で絞って、手漉き和紙で濾過されている。

鹿児島県産
無農薬黒ゴマを使用

黒ごまは、カルシウムが多く、黒い色素にはアントシアニンが含まれるなど、ごまの中でも特に身体にいいことが知られているが、油分が少なく、ごま油の材料になるのは大抵白ごまだ。鹿北製油では、1983年に世界で初めて、黒ごま油の製造に成功した。

カホクの黒ごま油は香り高く、炒めものにはもちろん、味噌汁に少したらすと最高においしい。自家製味噌に混ぜ合わせるだけでもごはんのおともになるし、おにぎりに塗ってもおいしい。焼おにぎりにしたらもう最高だ。

黒ごまから絞ったごま油というだけでも珍しいが、国産の黒ごまを原料にしたものもある。"「身土不二」(自分が暮らす土地で穫れた季節のものを、一物全体エネルギーを余さずいただく)の精神に則り、原料本来の栄養や風味を出来るだけ損なわない、より美味しく安心な製品を提供したい"という想いから、地元鹿児島県の農家の方に農薬と化学肥料を使わずに栽培してもらっている。

玉搾りという搾油方法も今では珍しくなった。現在では、ほとんどの油が苛性ソーダやシュウ酸などの薬品や添加物を使って化学的に抽出されており、日本では表示義務がない。

*鹿北製油 website
http://www.kahokuseiyu.co.jp/docs/index.htm


(国産(左)のほか、値段が手頃な外国産有機黒ゴマ油(右)もある。)